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(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)


 日本からまたまたベルリンに戻りました。
 でもって、さっそく拙著新刊『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』を今日11月19日からドイツ国内でも販売開始しました!

 お求めは、以下の2通りがあります。

1)ベルリン・ミッテ地区の日本食カフェレストランsmartdeli(通称スマデリ)での販売

smartdeli(住所は下記)で本日11月19日から販売しています。

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ミッテ地区のNovalisstr.2にあります

 えー、まず店内に入ったら、前方左側を向いてください。すると壁際に陶器などが並ぶ棚があります。

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壁に棚板がつけられてるでしょ


 その棚をよーく見ると、『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』も並んでいます!
 お求めの際はレジまでお持ちください。1冊15ユーロです。

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でも売り場は変更になる場合もあるかも。変わってたらごめんなさい


 そしてなんと! 見本もありますよ。
 レジ脇でクッキーと一緒に並んでいます。「中身を見てから買いたい」というお気持ち、よ〜くわかりますから。中身を確認した上で買ってもらえなかったらちょっと悲しいけど、本に求めているものは一人ひとり違いますからね。

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クッキーおいしそう


smartdeli (スマデリ)
Novalisstr.2 , 10115 Berlin

Tel. 030 2068 7037
http://www.smartdeli.org/jp


2)わたくし久保田由希に直接注文

お近くの方はどこかでお手渡し。
遠方の方は送料実費(普通便なら1.45ユーロ)でお送りします。郵送の場合、ご希望でしたら書留にすることも可能です。
いずれの場合も、まずは私にメールをお送りください。その際、件名に「クリスマスマーケット本」とお書きください。
メールアドレス→info@kubomaga.com
お支払いは、お手渡しならその場で、郵送の場合は先に口座にお振り込みいただき、入金を確認次第すぐに発送いたします。
1冊15ユーロです。

***

 本は日本からたくさん持参しましたが、数に限りがあります。気になるな〜という方は、どうかお早めにお求めください!

 ドイツ各地のクリスマスマーケットはもうすぐスタート。今年はこの本でもっと楽しんでくだいね〜。

 『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』の内容と私の思い入れについては、こちらの記事をご覧ください→新刊『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』9月30日発売!!

 買ってほしいな......。


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日本で会いましょう〜


 もうすぐ一時帰国します。
 日本では新刊『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)発売を記念して、たくさんイベントをやります!

名付けて
日本ツアー2016秋!

(↑ちょっと大げさ)


 ほとんど東京ですが、1ヵ所だけ高松で行うので、仰々しく日本ツアーとぶち上げてみました。スケジュールは以下の通りです。


10月16日(日) *時間はわかり次第お知らせします
イベント名:せとうち ART BOOK FAIR
場所:高松市サンポートテント広場
お申し込み:不要。入場無料です。気軽に立ち寄ってください。
https://www.facebook.com/setouchiartbook/

元ベルリン、現在は瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま)をベースに活動する、オーディオ&ビジュアルパフォーマンスユニット「ウサギニンゲン」と「かわいいドイツ」についてトークします! ウサギニンゲンのお二人とはベルリンで知り合いました。以来私はその独創的な世界に魅了されっぱなしです。一緒にトークできてうれしいです。
ウサギニンゲンHP→http://usaginingen.com/ja/


10月23日(日)11:00〜16:00
イベント名:ママンカ市場
場所:眞龍寺 東京都世田谷区北沢2丁目36-15
お申し込み:不要。入場無料です。ふらりと立ち寄ってください。
http://www.mamanqa.com/ichiba/

「ママンカ市場」は下北沢のお寺の境内で開かれる小さな市場。メインは農家さんの新鮮野菜ですが、その一角で「ドイツの蚤の市」をデュッセルドルフ在住ライター・坪井由美子さんと開きます。これはトークイベントでなく、坪井さんと私がドイツで見つけた雑貨や拙著を販売する市場。見るだけ、お喋りだけ、ウェルカムです! 日曜の下北にいらしたらぜひ寄ってね!


10月27日(木)開場18:30 開演19:00〜(21:00頃終了予定)
イベント名:カワいいドイツ?コワいいドイツ? 2
場所:(公財)日独協会
会費:(公財)日独協会会員 1,000円 一般 1,500円
お申し込み:(公財)日独協会ページからお申し込みください→http://www.jdg.or.jp/event/03seminar/seminar_96/20161027.html

今年3月にお台場で開いた「ドドンとドイツ2」の「カワいいドイツ?コワいいドイツ?」トーク再び!
『ニセドイツ』著者・伸井太一さんと「カワいい」「コワいい」「ゴツいい」といったちょっと変わった目線から、たっぷりドイツをご紹介。おすすめのドイツクリスマスマーケットのお話しもします。ドイツの微妙な部分も好きな方、ドイツに行ってみたい方、ほかでは聞けない深イイ(?)ドイツトークが繰り広げられる(予定)。
拙著の販売もいたします!


10月29日(土)開場12:30 開演13:00〜(14:30頃終了予定)
イベント名:ドイツクリスマスの会10月12日追記:おかげさまで満員御礼となりました!ありがとうございます!!
場所:モリモトハウス 東京都中央区日本橋人形町2-13-11
会費:2,500円(グリューヴァインまたはパンチ、クリスマス菓子付)
お申し込み:「ドイツ食品普及協会」のこちらのページでお申し込みフォームを送信ください→https://www.facebook.com/events/1616152832018297/

デュッセルドルフ在住ライター・坪井由美子さん、ドイツ食品普及協会・森本智子さんの3人で、本場ドイツのクリスマスとクリスマスマーケットについて美しい写真をご覧に入れながらのトークライブ。ドイツから持参したクリスマス菓子と、本場のレシピで作った自家製グリューヴァインまたはノンアルコールパンチ付き。定員は先着20名様なのでお申し込みはお早めに! もちろん拙著も販売します。


11月2日(水・休前日) 開場19:00 開演19:30〜(21:00頃終了予定)
イベント名:本場ドイツのクリスマスマーケットの楽しみ方
場所:旅の本屋 のまど 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1階
会費:1,000円
お申し込み:「旅の本屋 のまど」のHPからお申し込みください→http://www.nomad-books.co.jp/event/event.htm(下の方にスクロールすると私のコーナーが出ます)

昨年に引き続き私のホームタウン・西荻窪にある「旅の本屋 のまど」さんでの一人トークライブ! 新刊『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』掲載・非掲載写真をガンガンご覧に入れながら、おすすめマーケット、屋台フードやお菓子のお話をします。昨年のトークイベント終了後に店主さんから「ドイツファンの方はリアクションがフリーダム」と言われましたが、今回もフリーダムにゆる〜く楽しんでください!

***

 ......ここまで書いていて、我ながら「おいおい、こんな大丈夫かよ?」(←お客さん来てくれるの? 自分のネタは尽きないの?)という気になってきました......。

 でも今度の一時帰国では、めいっぱいイベントをやろうと決めたんです!
 なぜならイベントは純粋に自分が楽しいし、みなさんと会えるから。それに新刊が出たときはそのテーマでイベントが開きやすいし、当然ながら新刊も売れるようにがんばりたいからです。

 私の中には常に「いつまでこういう仕事ができるかわからない」「いつまでベルリンにいられるかわからない」という思いがあるんです。だから、できるうちはめいっぱいやりたい。ということで、

日本で会いましょう〜!


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表紙カバー写真はハンブルク市庁舎前のクリスマスマーケット!


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 私の新刊『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』がマイナビ出版から9月30日(アマゾンなどのネット書店では10月5日)に発売になります!!

アマゾンの画面はこちら:
https://www.amazon.co.jp/dp/4839958378/

 ようやくここまで来ました! いい本ができたと思います!

 クリスマスマーケットの本を書かないかとお話をいただいたのが、今からちょうど1年ぐらい前のこと。昨年のアドヴェント時期(「アドヴェントって何?」という方は本書をご覧ください(^_^))は、毎日どこかのクリスマスマーケットを取材しましたよ! 前書に引き続き、写真も自分で撮りました。

 いやもう、毎日ドイツ全国&諸外国を回って、あのときは本当に大変でしたね。何しろクリスマスマーケットは1ヵ月間ぐらいしか開いていないでしょ。だから1日もムダにしたくなかったんです。

 クリスマスマーケットのリサーチして、旅程組んで、切符手配して、各地で三脚担いでカメラぶら下げて、グリューヴァイン買って、撮って、ソーセージ買って、撮って、ときどきマーケットの来場者さんと話しながら、暗くなったらまた撮って......全部ひとりでやって、最後の方はプチぎっくり腰に。でも取材そのものは楽しいんですよね。

 本当に大変なのは、原稿を書くとき。
 楽しかったクリスマスマーケット。本場ならではの感動。それをどうやったら伝えられるのだろう......と、一文書くのにもうんうん唸っていました。

 これまで共著を含めて12冊上梓していますが、慣れるどころか、本を出すたびに書くことがどんどん難しくなる気がしています。それは、読者の方に伝えたい、読み物として耐えうるような文章を書きたい、という気持ちが以前に比べてより強くなっているからじゃないかと思います。

 当然ながら、本は私ひとりでできるものではありません。
 担当編集者さんやデザイナーさん、そのほか多くの方々と共に創りあげていくのが、本です。すべてをまとめるのが編集者さんで、言ってみれば芝居の公演の座長的存在であると私は思っています。

 1冊の本を作るには企画意図があり、さまざまな条件があります。
 その中でいかにいいものを作れるかが勝負です。本書でも編集者さんと話し合いながら、構成を練りました。

 当然ながら私は、自分の視点ではいい本を作るよう、最大限の努力をしています。でも人の価値観や感性は千差万別。全員の方に気に入られることはたぶん不可能でしょう。
 それでも私は、この本は旅行ガイドとしての実用性に加え、紀行文の側面を備えつつ、クリスマスの歴史や一般家庭の過ごし方といった知識もお伝えする、いい本になったと思います。

 本を作るのは苦しくはありますが、好きな仕事です。
 次に本が作れるかもわかりません。1冊1冊が常に、真剣勝負です。

 書店で、ネット書店で、どうかお買い求めください。

*コンテンツ*
1.クリスマスマーケットのこと
クリスマスはいつからいつまで?/アドヴェントとは?/クリスマスマーケットとは?/クリスマスマーケットで味わう食べ物と飲み物 ほか

2.クリスマスマーケット案内
ニュルンベルク/ミュンヘン/ローテンブルク/ハイデルベルク/ゲンゲンバッハ/バーデン・バーデン/コンスタンツ/シュトゥットガルト/ドレスデン/ベルリン/ハンブルク/ケルン/アーヘン/コルマール/ストラスブール/バーゼル/プラハ/マーストリヒト 計18都市37ヵ所

3.ドイツのクリスマス
ドイツのアドヴェントとクリスマス

コラム
クリスマスマーケットの歴史/サンタクロースとクリストキント/自家製グリューヴァインのつくり方 ほか
簡単な旅行ドイツ語会話/市街地図

『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』
マイナビ出版 オールカラー144ページ 1,480円+税


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夜明けの海に来たかった


(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)


 灯台に会いに北西ドイツまで来た旅は、あっという間に3日目の最終日がやって来た。
(初日はこちら→灯台に、会いに来た
2日目→灯台に、会いに来た・2日目

 海辺というのは、夜明けも美しい。以前バルト海のウーゼドム島を旅行したとき(過去記事はこちら→ウーゼドム島へ)にそう思った。
 これから朝日が昇ろうかというときの、バラ色に染まった空。波も空の色を映し出している。そういう景色をここでも見たかった。

 前の晩に寝たのは午前2時だというのに、無理やり午前7時に起床。着替えだけ済ませて、すっぴんのまま浜辺へ出た。私にとって午前7時は早朝だけれども、そのぐらいの時間に起きている人は大勢いると思う。だから浜辺にももっと人がいるかもしれないと想像していたけど、人影はまばら。ジョギング姿や犬を連れた人をほんの数人見かけただけで、波の音だけが繰り返されていた。

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夜明け前で灯台が光っている


 昨日訪れた灯台が、白い浜辺の先にぽつんと見える。夜明け前なので、白い光を一定のリズムで放っていた。2秒光って、2秒消えて、また2秒光って、2秒消えて、そして8秒光って......という繰り返しだったかな(うろ覚え)。これも昨日の内部見学で教わったこと。

 あの塔の中にいたんだなあ......。

 やがてポツッと雨が降り出して来たので、宿へ戻って朝食。ここを発つのは午後だから、お昼頃まではいられる。少しでも白い浜辺で過ごしたくて、チェックアウト後にまた海へと戻ってきた。雨も上がっている。

 しばらく歩いていると、遠くから女性がこちらへ向かって何か話している。この場で私が話しかけられる可能性はまずないだろうと、そのまま無視して歩いていたら、その女性は私の方に近づいて来た。
 初日にタクシーをご一緒したご婦人だった。

「ここはどう、気に入った?」と聞かれ、すごく気に入った、昨日は灯台を見に行って内部も見学できて......と偶然の再会が嬉しくて答える。
 ご婦人は、あなたあの後タクシーにいくら払ったの、ほんの1〜2km走っただけなのに高かったわよねえ、後で私のホテルにそのことを話したら、連絡すれば駅まで迎えに来てくれたらしいのよ、ととめどなく話す。そういう会話が楽しくて、浜辺でしばらく立ち話。

「私、ここは何回も来ているの。あなたはもう今日帰るの? また来たらいいわよ」とご婦人が言う。

 また来たい。本当に。こんなに気持ちがいいんだもの。

 ドイツは北部が海に面している。北東部はバルト海で、北西部は北海。今回私が訪れたのは、北西部の北海のほう。旅の計画を立てていたときは灯台のことしか頭になくて、ここがどういう場所だかは調べていなかった。

 でも初めて海岸を見て途方もない広さに驚き、遅ればせながら調べたところ、ここは北海の一部であるワッデン海という名で、ドイツ・オランダ・デンマーク3ヵ国に広がっており、ユネスコ自然遺産に登録されている。

 *ワッデン海についての説明はこちら→http://www.germany.travel/jp/towns-cities-culture/unesco-world-heritage/the-wadden-sea.html
http://worldheritagesite.xyz/wadden-sea/

 私が泊まったのは、ワッデン海に面したSt. Peter-Ording(ザンクト・ペーター・オーディング)という町。リゾート地で、ホテルや貸別荘が並んでいる。鉄道が走っていて、Bad St. Peter-Ording駅が最寄り駅であり終着駅。

 駅から浜辺へは1kmぐらい。とにかく見渡す限り白い砂浜が続いることに驚く。しかし浜辺から波打ち際までが遠い。なんと歩いて10〜15分もかかる。

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波打ち際まで、いくつか歩道がある。15分も歩かないと海にたどり着かない


 波打ち際まで行くと、潮の満ち引きによって干潟が現れる。それまで白い砂に埋もれながら歩いていたのが、もったりと水分を含んだ砂になり、ムース・オ・ショコラを踏みつけているような気分になる。

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杭を打ち込んだ小屋のレストラン


 浜辺には杭を打ち込んでこしらえた、高床式のような小屋がいくつもあり、カフェレストランになっている。トイレも同じ形式で、遠目からも洒落ている。
 小屋レストランのひとつで、この辺りの名物ザリガニスープとワッフルを頼んだ。

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別添の器に入っているのがザリガニ。一見小エビのよう

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アツアツのワッフルとチェリーのソースに、冷たいバニラアイスがおいしかった

 波は白く光っていて、穏やかな光が差していて、風は柔らかだった。
 旅行中に仕事をしようとパソコンも持ってきたけれど、これっぽっちもそんな気分になれなかった。このままここで1週間ぐらい過ごしたいと、心から思った。

 灯台に会いたいという気持ちだけで来た旅は、すべてが予想以上にうまくいって、ラッキーなことの連続だった。本当に充実していて、しあわせな気分だった。

 今はもうベルリン。さびしい。でも、思い出の品を持ってきたからね。


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またね


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遂にこの日が来た


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 灯台に会いに来た旅・2日目。(初日はこちら→灯台に、会いに来た

 思いがけなく初日に10km遠方からご対面できた、Westerheversandにある大好きな灯台。いよいよ2日目の今日が、会いに行く日。

 宿から灯台までは約10km離れている。車を持っていない私の移動手段は 1.レンタル自転車 2.タクシー の2択。

 自転車は宿で借りられるとのことだったし、たとえ私のサイズに合ったものがなくても(ドイツの自転車はサドルがむやみに高い上に、私の身長は150cmときている)、近くに子ども用自転車を揃えたレンタル自転車屋もあるらしい。
 タクシーは片道30ユーロ程度だという。電話で呼べば来てくれる。

 天気は晴れている。雨も降らない見込みだ。自転車ならお金もあまりかからない。自転車を選ばない手はない......のだろうが、心配の種がひとつあった。
 持久力にまったく自信がないのだ。

 悩んだ挙げ句、結局タクシーを呼ぶことに。なんて軟弱なんだろう、自分。しかしドイツ人のようにハードに自転車を乗りこなす自信はまったくなかった。一眼レフも持っているから自転車じゃ危ないし、荷物が重いし......などと心の中で言い訳をして、軟弱な選択を正当化しようとする。

 しかしタクシーに乗るのだって悪くない。地元生まれ・育ちの運転手さんに土地のことをいろいろ教えてもらった。この辺りの地名にはよくDeich(ダイヒ=堤防、土手)という単語が付くけれども、それは1930年代(32年だか35年だかと聞いたが忘れてしまった)までこの辺り一帯が土手だったからだそうだ。確かにホテルから海辺に行くまでには高い土手が残っている。

 自分の興味から「茅葺き屋根の家が多いですよね」と聞いてみると、昔の農家はみな茅葺きで、でも現代では農家を止めてしまった家も多く、その家屋が貸別荘などに変わっているらしい。確かに、売りに出されている茅葺き屋根の家も見た。

 そんなこんなで、15分ほどで灯台手前の駐車場まで到着。ここから先はユネスコ自然遺産に登録されているWattenmeer(ワッデン海)ナショナルパークになっていて、車は進入禁止になっている。徒歩か自転車でないといけない。歩くと40分程度。パーク内への入場は無料らしい。
 これまで写真を見ていて、Westerheversandの灯台の周りには何もないなと思っていたけど、ナショナルパークになっていたからなのか。

 駐車場から歩き始めると、遙か彼方に灯台が見える。きのう浜辺から見たのと同じような小ささ。でも今日は私が一歩進むごとに、灯台も一歩近づいてくる。もうすぐ、もうすぐ夢見ていた灯台にたどり着ける。

 ナショナルパーク内は一面湿地帯で、海辺まで歩くと干潟が広がっている。舗装された道があって、歩行者・自転車はそこを通るのだけど、その舗装道が(たぶん)羊のフンだらけで衝撃を受けた。
 これは灯台に会うための試練なのだろうか。しかしフンは乾燥しているものが多く、踏んだところで、どうということもない気がする。

 やがて灯台が目の前に近づいて来た。はやる心を抑えるように、写真を撮りながら一歩ずつ近づいていく。灯台の両脇にある元灯台守の家も、はっきりと見える距離だ。

 そして遂に灯台の麓へ。塔の足元のあたりを触ってみる。下から見上げると、縞模様の赤い部分は思ったより明るく、日に焼けていた。

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見上げると、高さを実感


 事前に検索して知ったのだが、灯台には内部見学ツアーもあるという。ただし月・水・土の開催で、事前予約が必要だとホームページには書いてあった。私が来るのは木曜だし、灯台の佇まいが好きなのであって、内部は見学できなくても後悔しないと思っていた。
 しかしここまで来てしまうと、やはり内部も見てみたいという気持ちが湧いてくる。私は民家にお邪魔するのが好きなのだから、灯台に入りたくなっても不思議ではない。なぜ見学可能な日程に旅行を組まなかったのか。

 すると突然、灯台の麓にある目の前の扉が開いた。中から人がゾロゾロと出てくる。
 え、もしかしてこれ見学ツアー? 今日もやってるの?

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この扉が、突然開いた


 引率者らしき男性が「次の回の人〜」と呼びかけると、周りにいた数人が一斉に灯台に入ろうとしている。
 えっ、えっ、ちょっと待って。私も入りたい。

「1人なんですけど、空きはありますか?」と聞いてみると、「5ユーロです」と、あっさりと通された。うわぁー、まさか夢見ていた灯台に入れるなんて!

 当たり前かもしれないけど、灯台の中はらせん階段になっていて、各フロアに部屋があった。なんと、この中で結婚式(パーティーではなく、ドイツの役場で行う、婚姻証明書の署名による結婚式)もできるそうで、そのための部屋もある(帰りのタクシー運転手さんの友人は、ここで結婚したそうだ)。

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ここで結婚したら特別な思い出になりそう。ここまでたどり着くのが大変だけど

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最上部から外に出られる。ナショナルパークの自然を一望。でもちょっと怖い


 私は灯台の外観だけに興味があって、本来の役割とか技術的なことはまったく調べてなかったのだが、内部見学ツアーでいろいろ教わった。

 知識がない分野の上にドイツ語で説明を受けたので、正しく理解できているか心許ないけど(もし正しいことをご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください)、灯台にはいくつか種類があるらしい。
 位置のオリエンテーション用の灯台もあるけれども、この灯台は日本語で言う「指向灯」というものらしく、赤・白・緑の3色の光で安全な航路を示しているそうなのだ(詳しくはこちらのサイトを参照してください→http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/choshi/inubo/inubo/lighthouse/types.htm)。

「でも今ではGPSがあるから灯台は不要なんですよね?」という質問には、「そうだけど、GPSはアメリカがコントロールしているから、100%信頼できるわけではない。今、ヨーロッパが開発しているガリレオというGPSシステムがあって、それが完成すればドイツもコントロールに関わるから、不要になるかもしれない」という返答があり、へぇぇ〜と感心した。なるほどねぇ。

 1時間ほどの見学ツアーを終えて再び外に出た時には、充実感でいっぱいだった。夢見ていた灯台に会いに行ったら、偶然にも内部見学できて、そこから多くのことに触れられた。きっとご縁があったということだよね。

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この佇まいが好きなんだ


 会えて嬉しかったよ、Westerheversand灯台。

 灯台を背に駐車場まで戻っていく。昨日のように、やっぱり何度も何度も振り返る。そのたびに灯台は小さくなっていく。でもいいんだ、濃密な時間を一緒に過ごしたんだもの。


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